脳脊髄液減少症とは
 脳は硬膜と呼ばれる硬い膜で覆われ、髄液という液体に浮いています。しかし、交通事故やスポーツなどの外傷により硬膜に小さな穴が開くと、そこから髄液が硬膜外腔に漏れ、脳脊髄液が減少した状態となります。
  これにより、体を起こして暫くしてから起こる頭痛、めまい、手足のしびれ、全身倦怠感や視力障害などの症状が起こります   。
  通常は安静にすることでその小さな穴は閉じるのですが、穴が塞がらない場合には、髄液がもれ続け、症状が持続します。
  これまでは、鞭打ちや頚椎捻挫などとして対症的に治療をされていましたが、効果が上がりませんでした。しかし、近年脳脊髄液減少症という概念が導入され、ブラッドパッチ(自家血硬膜外注入療法:EBP)を行い、積極的に治療を行うようになってきました。
介護老人保健施設
円会センテナリアン
介護支援まどか
老人保健施設 円会センテナリアン 居宅介護支援事業所 介護支援まどか

症状
 頭痛、頚部痛が最も多い症状で、これらが体を起こした後に増悪することが特徴です。これらに加え、背部痛、上腕痛、吐気・嘔吐、食欲低下、全身倦怠感、複視(物が2重に見える)、視力・視野障害、過度のまぶしさ(羞明)、障害、難聴、聴覚過敏、耳閉感、めまい・ふらつき感、顔面の筋力低下、しびれ感、味覚異常、しゃっくり、発汗過多、徐脈、乳汁分泌など症状は多彩です。

診断
MRI:脳下垂、硬膜下腔の拡大、造影MRIにて硬膜全体の造影効果。
MRミエログラフィー、RI脳槽シンチグラフィー:髄液漏出部位を特定します。
当院ではMRミエログラフィーで診断しています。

治療
 点滴をしながらの安静臥床が基本的な治療です。それでも症状が軽快しないときには、ブラッドパッチ(自家血硬膜外注入療法:EBP)を行います。治療効果を上げるためには、EBP試行後、3日間の安静が必要です。
  他施設からの報告によると、EBPの有効率は約70%と言われています。1回のEBPで症状が改善するものの、完全には消失しない場合もあります。その際には、鎮痛剤などを併用しながら経過観察を行った後に、再度EBPを行うこともあります。

当院での脳脊髄減少症の治療について
 EBPを担当する医師の診察日(月・水・金曜日 午前中)に外来を受診していただきます。現在他院で治療を受けている方は、紹介状と頭部MRIを持参していただければ診察が速やかに行えます。問診表の記入後に診察を行い、脳脊髄液減少症でEBPの適応があると診断された場合には、入院日を予約していただきます。
  入院期間は5〜7日間で、入院時に追加のMRI検査などを行います。入院当日もしくは翌日にEBPを行います。EBPの直後30分は、うつ伏せで寝ていただき、心臓などに持病がない限り、最初の3日間は点滴をしながら臥床していただきます。入院中は、脳脊髄液減少症問診表に毎日記入していただきます。

EBPの合併症
 第2回低髄液圧症候群研究会の中での報告によると、以下のような合併症が挙げられています。
  EBPを施行した59例中、試行後数時間以内に発生して2日以上続くものとして頭痛、頸肩痛、背部痛、発熱、全身倦怠感などが12例、1日以内に発生し1週間以上続くものとして会陰部痛、下肢痛(坐骨神経痛)9例、数日後(退院後)に動悸、呼吸困難、前胸部痛、不安感などを訴えた症例が3例認められたほか、重篤な二次的合併症として無菌性髄膜炎、敗血症が各1例存在したとのことです。
医療法人円会 瀬口脳神経外科病院
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